時事通信社の記事で気になる物がありました。
以下引用。
小学校建設費、英の11倍=
ODA予算執行調査−財務省 (時事通信)
財務省は19日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の部会で、政府開発
援助(
ODA)の予算執行調査結果を示した。タンザニアで実施された無償資金協力による小学校建設事業では、同国で英国が実施した同種事業に比べ、1教室当たりの費用が8−11倍掛かっていた。同省は「日本の
ODA建設事業は高コストになっている」と指摘している。
ODAには、相手国に贈与する無償資金協力や、低利で貸し付ける円借款などがある。無償資金協力のうち、小学校建設などの経済開発等
援助費は3割強を占めている。
調査結果がまとまったのは、2001年度から08年度実施の建設事業。タンザニアでは、計272教室分の小学校が建設され、総事業費は約12億4000万円。1教室当たり約557万円かかったが、英国の事業では、約50万−約70万円にとどまる。「英国では非政府組織(NGO)を通じた実施などで費用を抑えている」(同省主計局)という。カメルーンでの小学校建設でも、国際機関の貸し付け事業の1.6−2.3倍だった。
また、カンボジアの道路改修工事では、1キロメートル当たりの費用が、アジア開発銀行(ADB)の貸し付け事業の2.4倍。舗装の厚さが、ADB案件の約2倍あることが高コストの一因になっている。
[時事通信社]
海外への
援助は大切な事です。
が、その
効率がとても悪い。
小学校を作るという同じ事をするための日本の費用はイギリスの11倍…
確かに高コストな分だけいい物を作っているのかもしれません。
ですが、今必要な
援助は何でしょう?
高品質なものを少数だけ
援助する事でしょうか?
それとも品質は悪いが、たくさんの量を確保する事でしょうか?
日本人が日本と同じ感覚で現地で物を作るという事は、その国にとって本当の意味でプラスに機能しているのでしょうか。
例えばここに1000万円あったとしましょう。
日本人がこれを使って
援助をすると100人の人が助けられます。
同じ事をイギリス人がやると1000人助けられます。
どちらがいいでしょうか?
これが食料だったらもっとわかりやすいです。
日本人は栄養失調で苦しんでいる所に「さぁステーキをお食べ」と高級料理を100人に振舞いました。
イギリス人は安いハンバーガーを1000人の人に配りました。
日本人は100人の人を飢餓から救いました。
イギリス人は1000人の人を飢餓から救いました。
どちらがいいでしょうか?
援助をしなければ1000人の人が死にました。
しかし日本人が
援助をすれば100人の人が助かります。
イギリス人が同じ予算でやると1000人の人が助かります。
言い方を換えれば、日本人は助けられるはずの900人を見殺しにした事になります。
そして日本人は言います。「予算がもっとあれば、さらにたくさんの人を救えたんだ」と。
確かに予算がたくさんあればもっとたくさんの命を救えるでしょう。
しかし、自分達の
効率の悪さは棚上げにするのでしょうか?
良い品質のものを提供する。これはとても大切な事です。
が、物事には優先順位というものがあるでしょう。
今は質より量を優先すべきです。
この状態ならばいっその事、日本は直接
援助せず、その分の予算をイギリスに送り代わりに
援助活動をしてもらった方が、よっぽど
効率的にたくさんの人を救えます。
相手もそれを望むのではないでしょうか。
海外に
援助をする事は大切な事です。
しかし、ただ
援助さえしていれば良いという物でもないでしょう。
何もやらないよりは遥かにマシですが、金額の大小が即国際貢献に繋がっているというわけでもありません。
何よりもまず結果が大事です。
いくらの金額を
援助したか、ではなく、どれだけの人を助けられたかが大切なはずです。
そこでは非情な選択を迫られる可能性もあります。
助かる可能性の低いものは見捨て、助かる可能性の高い人間を優先的に
援助するという事態も起きるでしょう。
災害現場におけるトリアージのような考え方が
ODAにも必要かもしれません。
何を持って「正しい」とするかは立場によって異なるでしょう。
ですが、海外
援助が「どれだけ多くの金額を振舞ったかを自慢する場」でないのならば質より量をとるべきです。
大切なのは
援助をし続けることでも
援助額を増やす事でもなく、一人でも多くの人を助ける事なのですから。
そのためには必要最低限に絞って、非情なまでに
効率化を図る必要も出てくるでしょう。
正しい事をしているのだから、どんなに無駄があってもいい、というのではただの自己満足です。
1000万円あったら、その金額で最大限の効果を上げる方法をとらなければ、残りの人間を見殺しにしたのと同じ、というぐらいシビアに考える必要があるのではないでしょうか。
こういう考えで行くと、いつまで経っても満足感が得られず辛い生き方になります。
どんなに優れた結果を出しても「もっと上手にやればもっとたくさんの人が救えたはずだ」と考えてしまうはずですから。
それはとても辛い生き方ですが、そういう生き方で無ければ本当に多くの人を救う事など出来ないでしょう。
自己満足で行うのでなければ、人助けは茨の道です。
それだけの覚悟を決めて行かなければ、本当の意味での社会の救済など、いつまで経っても出来ないでしょう。
ODAの見直しと口で言うのは簡単ですが、どこにどれだけの資金を投じ、どういう仕方で効果を上げて行くのか。
また、残酷な考え方ですが、どこの地域を見込みが薄いと判断して後回しにするのか、そんな選択も迫られるでしょう。
ただお金をバラ撒くだけの時代は終わりました。
そんなものは金持ちの道楽・気まぐれ・自己満足です。
これからは少ない資金で如何に多くの人を助けられるかという視点で、
ODAを考える必要があるのではないでしょうか。
少なくとも
効率の悪い
援助を続ける事により、費用が増え続け
援助期間が伸び続けるという事態は避けなければなりません。
それは日本の負担が増えるという点だけではなく、貧困に喘ぐ人たちの苦しみを伸ばし増大させる事でもあるのですから。
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コメント
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訂正お疲れ様です。
ODAから話が逸れるのですが、アメリカにあるアメリカ国内の貧困対策のために作られたNPOのトップの人の年収は日本円にして1500万円を超えているそうです。
それでもNPOとしての成果は十分に上がっているとか。
考え方にもよるのですが、キレイ事ばかりでは世の中が上手く動かないという事を前提にするならば、NPOのような社会的に意味のある団体に優秀な人材を集めるために、高い報酬を払ってその分成果を上げてもらう、という考え方がアメリカにはあるようです。
それもまた一つの正解の形なのでしょう。
訂正
不安定な国家で無い場合→不安定な国家の場合
(高速道路や鉄道関)→(高速道路や鉄道関係)
企画→規格
後、補足です。発展途上国のインフラ設備は、ODAで無い場合を指しています。NGOは、自分達の理念で活動しているため、金銭面の条件でなく、活動内容で協力関係が決まります。制度承認当時、日本のNPOもそういう活動でしたが、取得が簡単なこともあり、税制で優遇される利益を追求しない会社という面が強くなりました。でも、役員報酬に多額を支払っているNPOもあるようです。利益が出ないように給料を高額にすれば、一般会社と同じです。
ODAの裏側、話には聞いた事があったのですが…残念ながら正確な資料があるわけではないので細かい事まではわかりません。
耐震設計や強度の高い舗装という例はよくわかるのですが、現地でそれ程の物を要求されているのかどうかという疑問もありますよね。
少なくとも他国はそこまでの設備を作っていないわけですから…
どっちがいいんだろう?
日本の企業が受注するのも、ダム建設などでは技術的に他の国の企業に任せられない、という話を聞いた事があるので、一概に非難してはいけないのかもしれません。
それでもこの費用10倍という数字には大きな疑問が残ります。
インフラ整備などある程度高度な技術が必要な物は仕方がないのかもしれませんが、学校の建設にそんな特殊技術が必要だとも思えません。
削れる所は削って、もっと効率良くした方が現地の人にも喜ばれるはずです。
ODAを日本企業を潤わすために行うのか、現地の人を救済するために行うのか、根本的な考え方を問いただす必要があるのかもしれませんね。
ODAの裏
さて、ODAの裏を述べます。援助される国は、不安定な国家で無い場合が多いです。賄賂が横行しています。また、条件付が多く、日本企業が受注するようになっている場合があります(天下り先の随意契約や条件付入札と同じ)。現地に精通した人々がいないのと設計が高規格である。
ちなみに、発展途上国のインフラ設備(高速道路や鉄道関)もよく日本企業が受注します。かなり、カントリーリスクがあるようです。また、契約が日本に比べ曖昧なので損失をする場合もあるようです。
学校や高速道路。学校については、耐震設計かもしれません。地震がそこそこ起きる国であれば、あながち否定は出来ないように思います。道路も2倍の舗装圧ですが、薄くてすぐ剥げるようであれば、間違っていないように思います。
この辺りは、資料が無いのでよく解かりません。ただ、NGOを使うのは、一番、効率の良いやり方です。日本の場合、行政も同じですが、企画、マニュアルが多く、現場に応じての節約が出来ません。ODAも同じ仕組みではないでしょうか。たぶん、数割カットが、出切るように思います。
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