呆れてモノが言えない…
尖閣諸島で逮捕した中国人船長の釈放、これをどう解釈すればいいのでしょう?
意味がわからない。
一部では弱腰外交のための外交の敗北と言われていますが、これ敗北どころではないですよね?
従属外交に基く敵前逃亡、ですよね?
敗北って言うのはもう少しちゃんと戦った事に対して使う言葉であって、こういう場合は違うんじゃないでしょうか。
言いたい事もツッコミどころも満載です。
日本の「エライ人たち」にはまともな人間が一人もいないのでしょうか?
まず第一に「検察が判断」という点。
検察の仕事は外交なの?
何で司法が外交問題を気にするの?
明らかに越権行為でしょう。
政府は政治判断ではなく司法の判断という事で責任逃れをしたいのかもしれませんけど、司法が外交に口を出している事の方が問題です。
何を考えているんでしょうか?
こういう時はどのような結論にせよ政府が最後まで責任を取るべきなのではないでしょうか?
次。
尖閣諸島はわが国固有の領土で領土問題は存在していない、という立場なわけですよね。
それなのに不法侵入して公務執行妨害をした人間を釈放。
これだけ日本が優位に立っていて正当性を主張できる状態なのに中国に譲歩してしまった。
馬鹿じゃないのか?
この先中国はドンドン図々しく要求してくるでしょう。
実際もうすでに「日本が中国の主権を侵したので謝罪と補償を要求する」とか言われてる。
最悪です。
これはもう日中問題だけじゃないですよ。
日本は脅せば簡単に屈する、と対外的に知らしめてしまったわけですから、今後他国との駆け引きも難しくなる。
例えば領土問題を抱えている竹島や北方領土はどうでしょう。
日本が実効支配している尖閣諸島でもこの状態では、すでに向こう側に実効支配されているこれらの地域が返ってくる事は絶望的な状態になりそうです。
さらに北朝鮮に対する拉致問題も同様。
脅せば屈する、ゴリ押しすれば通る、と思われたらもう外交では何一つ先に進まないでしょう。
とりあえず、現政権では外交関係で国益を期待するのはもう無理っぽいです。
また、今回の一件で味を占めた中国漁船が今後も領海侵犯を続けるかもしれない。
そうなれば日本の漁業にも致命的でしょうし、今度は日本漁船が拿捕されるかもしれない。
国を守る気が無いのでしょうか?
そもそも、日中関係が悪化しないようにと事あるごとに言っていますが、今回は中国側がわざわざ関係を悪化させようとしてきているとしか思えない。
相手が悪化を望んでいるのにこちらが修復を望むのはそもそも無理な話。
向こうが折れるまでこちらはどんな犠牲を払ってでも折れるべきではなかったのではないでしょうか?
で、その犠牲ですが、これもそもそも今までの日本社会の過度な中国依存が今回身動きが取れなくなった遠因。
これ以上中国との関係が悪化すると経済的に大打撃を被る、とあちらこちらで言っていましたが、そうなった原因は日本側にもあるわけです。
ビジネスにせよ投資にせよ、何事も一点に集中せず分散させるのはリスク回避という面では当然の戦略です。
輸出も中国依存、輸入も中国依存、観光による消費も中国依存というのは明らかにバランスが悪過ぎます。
日本の各企業が今まで中国にばかり工場などを建ててきましたが、本来ならば各国に分散させておくべきでしょう。
例えば以前起きた毒餃子事件。
あの時食料品の多くを中国から輸入しているので、日本の食卓は中国抜きには成立しないなどと言われていました。
本来ならばこういった輸入先も他の国に分散させておくべきなのではないでしょうか?
今回の一件や毒餃子事件に関わらず、リスクを分散させるのは企業として当然とるべき戦略のはずです。
中国に限らずどこの国でもそうですが、実際のところ国際社会では何が起きるかわからないわけです。
日本が取引しているどこかの国が、突然内戦になったり天災に見舞われたり政情不安定になって貿易が禁止されたり…
何が起きるかわからないのが現実社会なのですから、何が起きても致命的なダメージを受けないようにリスク分散しておくのは当然のはず。
それらを怠っておいて、過度に依存していた国との国交が怪しくなったら経済が大変、というのは経済界の怠慢ではないでしょうか。
民主党政権になったので中国とのパイプが無い、というのも問題。
確かにパイプが無いのは困るのですが、それ以前に外務省は何やってるの?
そりゃあ個人レベルの強いコネがあるのならばそれに越した事はないでしょうけど、そもそも外務省ってのはそういうパイプを作るために各国に大使館を置いているのではないのかい?
政権交代したぐらいでパイプが無いから相手と連絡が取れないってのは、外務省の職務怠慢でしょう。
そういう事が起きないために、政権交代をしても外務省の職員が全員入れ替わったりしていないはずなのに…
外務省って何やってんの?
さらに日本人(フジタの社員)が逮捕されたからどうのこうのって…
そもそもあの逮捕自体、この一件と関連があるのかどうか不明。
タイミング的には関係があるのでしょうけど、だからと言って日本側が譲歩すればその人たちが無事に帰ってくるという保障などどこにもない。
あくまでも別件と中国が言えばそれまで。
いつも思うのですが、外交において相手の顔を立てるというのがどの程度効果があるのか甚だ疑問です。
日本社会では「陰徳」とか「巧言令色鮮なし仁」などといって、相手にさりげなく配慮すれば相手もこちらを大切にしてくれる、みたいな発想がありますが海外にはそんなものないでしょう。
個人レベルならいざ知らず、外交レベルでは好き勝手に言ってお互いに利害関係をハッキリさせておいた方が何かと上手くいっている様に見えます。
日本社会のように「何となく恩を売っておいて、どこかでそのうち返してね」みたいな「何となく仲良しクラブ」は無意味です。
もっとハッキリと「日本はそちらの国にこれとこれとこれをしてあげるから、その代わりにそちらの国は日本に対してこれとこれとこれをしてください」と明言した方がいいのではないでしょうか。
何かをしてあげれば何かが返ってくるなどという変な期待は捨てましょうよ。
何か持っていってあげても向こう側は「何か貰ったラッキー」ぐらいにしか思ってませんよ。
持って行くだけ損です。
今回中国に譲歩してあげたから、何か返ってくるのでしょうか?
フジタの社員は?
レアアースは?
各種イベントは?
今のところまったく良い方向に動いて無さそうに見えるのですけど。
ちゃんと「事件以前の状態」に戻るんですよねぇ?
戻らなかったらこっちが一方的に損しただけですよ。
何かこれでまた国内でも自民党が騒ぎ出しそうですけど、彼らには何か言う資格はあるのでしょうか?
何年前だか忘れましたけど、自民党政権時代に「金正男(北朝鮮の金正日の長男)っぽい人」を逮捕したのに、おとなしく返しちゃった事がありましたよねぇ。
あれ、ちゃんと対処すればもうちょっと北朝鮮との関係はマシな事になっていたんじゃないですか?
今回の船長釈放もそうですけど、何かというと日本政府は外交問題で揉めると「臭い物にフタをする」というような行き過ぎた事なかれ主義を取りがちですが、むしろ面倒な事が起きた時ほど「チャンス」とばかりにあえて面倒ごとを引き受けるというタフな発想と行動が必要なのではないでしょうか。
雨降って地固まるというように、揉め事が起きているときこそお互いの抱えている問題をハッキリさせ、より良い関係を築く事もできるかもしれないのに。
面倒なのは嫌だから適当にやっとけ、ではまともな関係など築けませんよ。
今回中国側が強硬姿勢に出てきたとき、日本だっていくつか対抗措置は取れたはずです。
ODAを止めるとか、最近ゆるくした中国人観光客に対するビザ発給の資格を元に戻すとか、中国全土を渡航禁止区域に指定するとか、中国大使館の外交官を何人か国外退去処分にするとか。
レアアース禁輸に関してはWTOに提訴すれば済む話。
更なる嫌がらせとして、尖閣諸島に米軍基地を持って行くなんて荒業もありそうな感じです。
そういった過激な対処はさすがに相手を刺激するだけなので、実際にやるのはまずそうですがそういった事もやろうと思えば出来たはず。
もうちょっと現実的で長期的な視点でいくのならば、今回の事件が発生した直後に周辺国との連携を取る、という手もあったはずです。
今中国は東シナ海だけでなく南シナ海でも領土問題を抱えています。
日本の尖閣諸島だけでなく南シナ海でベトナム、マレーシア、フィリピン、台湾とも争っています。
韓国との間にも揉め事があるそうです。
そして、アメリカは中国がこういった領土問題で影響力を強める事を嫌がっています。
こういった事を考えれば、これらの関係各国と「対中国」という事で連携は取れたかもしれません。
ついでにインドネシアやタイなどにもちょっと協力してもらうとか。
例えばこういう事は出来なかったのでしょうか。
一連の問題が起きた後に、これら各国の大使と経産相と経団連に集まってもらい「経済の中国一辺倒の現状を改善したいので、協力してくれ」と要請。
具体的には中国国内にある各企業の生産工場をこれらの国に移転する、というような提案を行うわけです。
完全に中国から生産拠点を無くす、という事ではなくあくまでも「リスク分散」という発想で中国国内での活動を縮小し、軸足を東南アジア全体に分散させる、という視点です。
これらの国だって企業の誘致は嬉しい話でしょうし、日本企業にとってもリスク分散になる。
さらに最近中国では経済成長に伴い賃金が上がってきており、日本企業にとっては必ずしも「安くて良質な労働力」とは言えなくなって来ています。
これらの国の中には賃金が中国よりも安い国もあるでしょうし、経済面においても中国に対する領土問題においてもお互いに連携する事は、双方にとってマイナスにはならないでしょう。
さらにいえば、中国には市場としての魅力もありますがそれらの国から中国に対して輸出をしても良いわけですし。
中国よりも安い国で作れば、中国国内においても価格競争力を発揮できそうですよね。
ここ数年中国はちょっと覇権主義に走り過ぎのように見えます。
そういった動きに釘を刺す意味でも、東南アジアと連携というのは良いはずです。
ついでに極東ロシアも巻き込めれば経済面ではもっと色々出来そうです。
中国が何か言ったりやったりしてきても、正々堂々と反論していけば良いんです。
今回の中国漁船の行動も現場を抑えた映像があるそうですし、それを国際舞台に流してしまえば良い。
先ほど連携するように決めた国々にも協力してもらい、国際的に中国が無茶な要求をしていると印象付けてしまえば良いのではないでしょうか。
それらの国々も同じような思いをしているはずなので、そういう映像が流れれば支持してくれるはずです。
仮にフジタの社員が有罪判決を受けて死刑になったとしましょう。
それ自体は嫌な事ですが、しかし、それも中国に対する批判材料になります。
中国はチベットや少数民族などに対する人権問題も抱えているので、そこにフジタの一件も放り込み「中国は人道上問題がある国」と攻撃し、同時に「中国でビジネスをするのは極めて危険」という印象を世界中のビジネスマンに刷り込むという手もあります。
中国は今回の報復措置の後にさらに日本の為替に介入し円高を引き起こそうと画策していたらしいのですが、それもプラスに作用しますよね。
現在人民元は欧米諸国から「不当に低く評価されている」と見られていて「為替操作国」と言われて非難され始めています。
ここに「中国政府による円高工作」が入れば、世界的に堂々と中国を非難出来ます。
この3つ、つまり「強引な領土拡大」「人権問題」「為替操作」の3点セットを使って国際舞台で中国を孤立させる事だって可能だったはずです。
レアアースのWTO違反も入れれば4点セットですか…
場合によっては世界中から「貿易相手として不適当」と思わせる事も可能だったかも。
レアアースに関しては産出のほとんどが中国というのが現状のようですが、それだって「中国国内にしか存在しない」というわけではないでしょう。
採掘が進んでいないだけで、他国にもそういう資源は眠っているはずです。
世界中から中国を孤立させれば、中国に集まっている資本が逃げ出すのは確実。
その資金が、他所のレアアースの産出国に流れれば、レアアース産出の歪んだ構図も正せるはずです。
何事もやろうと思えば出来たはずですが。
なのにやらなかった…
それがこの国の「エライ人たち」の限界なのでしょう。
政治家や内閣がアホでも、例えば経済界の大物とかが経団連を通じて働きかけて、総理と経産相と各国大使を集めて協力要請をする、という手もあったはず。
日本と各国が国を挙げて手伝ってくれれば各企業も動きやすいでしょうし、お互いに国同士が連携していると思えば安心して動けそうなものですが…
そういうのは無理なんでしょうかね?
蛇足…いつだったか政界に「龍馬気取り」が溢れかえっていましたが、坂本龍馬なら上に挙げたような事やもっと凄い事を考えて達成したでしょうね。
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